ページ

2010年6月22日火曜日

奪えないもの


 スティーブン・キング原作の作品、『ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption』を鑑賞しました。監督はこの映画が初監督であるフランク・ダラボン。主演はティム・ロビンスとモーガン・フリーマンかな?この映画は第67回アカデミー賞で主要7部門にノミネートされましたが、同年の候補に『フォレスト・ガンプ 一期一会』『パルプ・フィクション』などの名作があり人々にはあまり注目されず、興行収入も赤字だったそうな。まぁ少なくともこのふたつよりはこの作品のほうが好きですね。スティーブン・キングの原作はよく映画化されていますが、なかなかはずさないですね。『スタンドバイミー』なんかもそうですが、原作がすばらしいだけに、内容もそれに伴うのでしょうか・・?
 
 前置きはこれくらいにして感想を書きます。ひとことで「素晴らしい」映画でした。まさに100本に1本の映画。見ている間にいつのまにか画面にかぶりついていました。正座していました。そのくらい一生懸命みました。そのくらい無駄なシーンがありませんでした。これが初監督なんてどんだけすげぇんだよ監督さん。。。俺ももし映画を作るとしたらこういう映画を是非作りたいです。この映画がどうしてここまで素晴らしくさらに不朽のものになりえたか、それは、テーマが不朽だからです。ハリウッド映画はなんていうかその場限りのもの。今の話題を映画にする感じ。それか現実ではありえないような設定とか。別にけなしてるわけじゃなくてそれはあくまでいい作品にはなれるものの不朽の名作にはなりえない側面があります。それはいつの時代も通じるテーマではないからです。しかし、ショーシャンクの空にがおそらく扱っているというか、この映画を見る人に伝えたいことって明確に普遍的なテーマな気がする。そのテーマは「希望」です。生まれてきてか一度も希望を描かない人間はおれの知る限りではいないと思います。それは「希望」は人間が生きる糧になるからです。人間から「希望」を抜いたら残るものは非常にさびしいものでしょう。ここでの希望はそんなに大それたものじゃなく、どんなことでも「こうあったらいいな」というもの。主人公の希望がそうであったように。人を絶望に陥れるのも「希望」だし、人を絶望から救うのも「希望」。この映画はそういうテーマを扱っています。主人公は何度も苦しい経験をし、普通の人なら死を選択してもおかしくないような体験もします。しかし彼は「希望」をもっていました、「希望」が彼を動かしそして、生かしたのです。「希望」を無くした人間の末路は「死」です。それは映画にも描かれています。それほどまでに「希望」は人間の根源にかかわるものなのですね。この映画を見ている最中なんでも希望を失いかけましたが、この映画は最後に「希望」をしっかり残してくれました。「希望」は人間から決して「奪えないもの」です。
 ここからは余談ですが、やっぱり悪いことをやる人は必ず報いを受けるね。それは必ず誰かを傷つけているからね。私利私欲のために生きているひとなんかだめだね。ていうかそれの何がおもしろいのかまったくわからない。刑務所に長年いて、しかも囚人を病院送りにしたり、裏で金儲けをしたり、一時の欲求を満たすためにアホみたいなことを続ける。まったく理解できないね。世の中にはそういう人間が多すぎる。彼らにあるのは「希望」ではなく、単なる「欲求」、それも低劣な。そんなことで人は豊かになれるわけがない。いや金銭的にも精神的にも豊かになれるだろうけど、その人自体の心(誰にも触れることのできない、でも人が必ず持っているもの)は豊かにならない。そこを豊かにすることなしに、本当の意味で豊かになることはありません。「俺は金で心が豊かになる」と本気で思ってるなら、今のその人のこころは豊かではありません。少なくとも俺の考える「豊かさ」ではありません。そこを勘違いしてはいけません。目の前にある「欲求」が人生を豊かにするのではありません。これがわからないから悪い事をしちゃうんだよなー。それともうひとつ、主人公の人柄というか人間性がこれまた人を惹きつけるんだわね。教養があって決していやみじゃなく、人のためなら危険をも犯す。人に「与える」ことを喜びにしている。でも決して人に希望を与えるだけじゃなくて、自分の希望も持っている。そういう人を決して世界は裏切らない。もちろん裏切ることもあるけど、最終的には裏切らない。「希望」を残す。主人公は本当に教養があってなんでもしってるんだよ。それが彼を魅力的にしている。それが彼に「希望」を与える。やはり教養の大切さが身にしみたね。そして、教養ある魅力的で心が豊かな彼には、良い友達ができる。彼にもわかるし、ほかのひとにもわかる。だからお互い深くつながるんだよね。友情も「希望」のひとつであるね。ていうか世の中「希望」に満ち溢れてるよ。戦争とかももちろん存在するけど。戦争の悲惨さを知らない俺が何知ったかぶってんだよって思うかもしれないけど。そう思わないと、生きていけないわ。そう思わないと、生きることの意味なんて絶対見つけられないわ。
 

 余談の方が長くなっちゃったけど、マコリングマが勧めてたようにこの映画は本当に素晴らしいものです。一度は見てみることをオススメします。そして、この映画を素晴らしいと思える心を常にもっていたいです。

1 件のコメント:

  1. 悪いことをやる人は必ず報いを受ける―そうとも限らない。だけど私利私欲のためにしか生きられない人はそれだけで報いを受けていると言えると思う。なぜならその人は本当の「豊かさ」を知らずに生きて死ぬことになるから。

    本当の「豊かさ」って何?…と言われてもはっきりわからない俺でも、私利私欲を満たすのが「豊かさ」じゃないことは断言できる。

    俺ももう一度、この映画見ようと思ってる。

    返信削除