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2010年5月12日水曜日

すげぇ映画大賞受賞


 ええ、厳正なる審査の結果『4ヶ月、3週と2日』をすげぇ映画大賞にしたいと思います!!拍手!!おふざけはやめまして、この映画すごいです!もう何がすごいってほかの映画とは一線を画しています。これ本当に映画かっていうくらいリアルで臨場感にあふれてて、緊迫感があり息づかいや心情までも伝わってくるような末恐ろしいものです。ものすげぇ眠い中寝るのを覚悟で観ましたが寝れませんでした。全然観る気もない中みましたが観終わっちゃいました。そんな気はないのにです。本当です。この映画を観ながら寝れるひとはもう何?って感じです。

 内容はといいますとちょっと調べちゃいました。なんかこの映画チャウシェスク政権下のルーマニアを舞台にした作品だそうです。チャウシェスクについて少し触れます(ウィキ参照です)。チャウシェスクといえば言わずと知れた(全然知らなかったですが)独裁者です。政権を親族関係の人々で掌握する縁故主義を敷いていました。「王朝」と呼ばれるほどの権力をほしいままにしていました。しかしルーマニア初大統領就任当初は国民からの人気も高かったそうです。しかし、彼はやはり独裁者です。国民の生活をどんどん圧迫していきます。全然自国の経済について考えません。自分は好きな政策をしていました。好きな放題な暮らしをしていました。そんな最悪の状況の中旧ソ連でゴルバチョフ政権が樹立されペレストロイカが推進されました。そこで自分の権力を守ろうと固執しますが最後にはルーマニア革命によって失脚します(詳しいことはしっかり自分で調べましょう)。そんな独裁真っ只中の時代設定の映画です。当然雰囲気はよどんでいます。そんな時代のある大学の寮の中から物語は始まります。はじめは全然なにがなんだかわかりません。二人の女性を中心にほかの寮生(女寮)が次々登場します。しかしなにも起きません。淡々と進んでいきます。そこから少しずつこの映画の本題「妊娠の中絶」が現れてきます。二人の女性のうちのひとりがどうやら妊娠してしまったらしいのです。そうです。タイトルは妊娠してからの日数のことです。当時のというか今もかもしれませんがルーマニアでは胎児の中絶は罪に問われていました。しかも5ヶ月を過ぎていると殺人罪が適用されるくらい重罪です。そうとしりつつも妊娠した女性は中絶を決断してそれをもうひとりの友達に手伝ってもらいます。この辺からもう引き込まれています。そしてある中絶を専門にした男性との接触がありいざ中絶をしようとするのですがそれまでにもたくさんの問題があります。。。これ以上書くとあれなのでこの辺であとはお楽しみにしときます。

 まぁ、客観的なんですよね。終始客観的。おそろしいくらいです。普通にハンディカメラとか使って画面とか揺れまくりですw だからこそのリアリティと緊張感なのでしょう。それと中心の女性ふたりの性格の違いがまたあれなんですよね。妊娠したほうの女性は本当に緊張感が無くて、ものすごいあやういことをやろうとしてるのにまったく実感というものが感じられないんですよね。ある意味危ういんです。医者らしき男に頼まれたことも一切できないし、本当に中絶する気あんのかこのやろう状態です。だから友達の女性(主人公)は四苦八苦します。だんだんと友達に苛立ちを覚えるのですがものすごいやさしいんですよね。この女性だってたくさん嫌なことたくさんするのに最後までしっかり見捨てないんです。でもこの主人公の描写がすごいんですよ!もうがんがん感情がぶつかってきます。表にもだすし隠したりもします。この主人公の身になったら崩壊するんじゃないかってくらいなんです。でもおそらく観客はこの女性に感情移入することになるのでだからものすごい怖い。はらはら。リアル。息を呑むような展開です。決してスピーディーなわけじゃありません。どうしても目が離せないのです。とにかくみてみることをオススメします。評価で言えば全然おもしろくありません。何がなんだかわけわかりません。意味不明です。でもそういう映画なんです。だからすっきりとかそういう感覚はゼロです。終わったら悪い夢から覚めたような感覚が襲ってきます。この映画に関しては本当に観てもらはないとどうしようもない。伝え切れません。ですからとにかく観てください。
 評価はつけられません。だからこそ「すげぇ映画大賞受賞作品」に選んだのです。少々長くなりました、すみません。

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