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2010年5月18日火曜日

リスクで斬る


 ということで勝間和代さんの『会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く』を読了しました。これで2冊目の勝間本ですが、これをあんまりすげぇなって内容ではありませんでした。この本に何を求めるかにもよりますが、とにかく勝間さんの本にそのまま影響を受けるのではなく勝間さん自身もおっしゃるよう広い視点から本を観察していくのがいいのではないでしょうか。

 内容でございます。勝間さんならでは(?)の切り口で今の社会の問題を解明していきます。今回使われる道具は「リスク」です。リスクという観点を用いて現代社会の抱える問題、たとえば企業の終身雇用制、国家の役割とはなどなどのリスクを徹底的に考えていかにわれわれが日常的にリスクにさらされているか、リスクに気づかず生きているかなどなどを論じていきます。また勝間さんは「リスク」とは何かというのを定義ずけてそれと今後どう向き合っていくかということを帰結としています。勝間さんにとって「リスク」とはいかにうまく付き合っていくかというものらしいです。あらゆる物事に潜むリスクを考え、そのリスクをとることでどれほどの危険が自分に帰ってくるかまた、どれほどのいいことが自分に帰ってくるか常に考えて生きればもう少しうまく生きれるのではないかという勝間さんからの提案です。

 まぁまず最初に文中に「リスク」っていう単語がありすぎてうざい。。。という幼稚な指摘はさておきまして、どう考えたかを申しますと、なかなかおもしろい視点だとは思ったが、議論がリスク一辺倒に感じられて少し違和感を覚えたのが感想でございます。もちろん今回は「リスク」という道具をもちいてわかりやすく解説したのだとは思いますが、それにしてもなかなか納得いかない部分もありました。大前提として、はたして「リスク・リテラシー」を身に付けたからといって今の日本の体制は変えられないことがあげられると思います。日本の抱える問題に対処するために「リスク」感覚を身に付けることの大切さはわかりましたが、まず根本から日本の問題を解決していかなければいけないのではないでしょうか。。。その点について勝間さんは「リスク」教育が必要だとかの提案はしていましたが、具体的に問題を解決するかについてはそこまで触れられていませんでした、それでは国民の「リスク」は拡大していく一方なのではないでしょうか?かなり個人主義的な考えな気がします。偽善者代表のわたしといたしましたはあまり好かない考え方です。決して間違っているといってるつもりはございません。それと、これは本当に個人的な意見ですが、普段からそんなに「リスク」を考えていたら「本当は危険だけどリスクを犯さないといけない場面」で逆に萎縮してしまうのではないでしょうか?人生にはそういう場面が何度もあると思います。個人的に。ですからその場面に対面した時に、「リスク」の高さを考えた結果、行動に移さないかもしれないではないですか!!時には「リスク」を犯す(考えずに突っ走る)ことだって必要ではないでしょうか?そうしないと得られない経験はものすごい大切なものなのではないでしょうか?それとリスクリスクいってたら人間関係とかちょっと嫌な感じじゃない?こいつ「リスク」ばっかり考えてなんなんだよ!気持ちわりぃ!自分では危険は犯さないっていうのかよ!え!?というようなギャグみたいなことだって起こらないとも限らないですからね・・・少々感情論に走りすぎましたがこんなところです。

 最後にもうちょっと「読ませる」文を勉強してくれたらもっともっと引き込まれやすくなると思いました。読んでいてどことなくつまらないなって印象を覚えてしまいました。

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